<親友という位置>


恋したくなるお題
様より。
片恋のお題(1〜20)、18.

FF7 Zack→Aerith








「俺たちって親友だよなっ!?」

突然言い出した、先輩ソルジャーを俺はまじまじと見た。

「…………多分」

親友とか、親友じゃないとか以前に俺には友達と言うもの自体がいなかったのでなんとも反応に困っ
たが、違う、などと答えた日にはうるさそうなので、無難な答えを返す。

「じゃあ今日は俺の惚気話を聞いてくれ!」

「…………」

冷たくそいつを見て、俺は自分のやろうとしていたことの続きをしようとした。

こいつは、ソルジャーなのにやたらなつっこくて話しもしやすいが、女癖が多少悪くて、口数が下手な女
よりはるかに多いのが欠点だと思う。

それ以外は、見た目とか、身長とか凄いいい線行ってると思うんだ。………ソルジャーだし。

「なんだよ?なんだよ〜?!俺はお前のカノジョの話し聞いてやったのにぃ〜!!」

「ば……!カノジョじゃない!!」

「なんだっけ〜?ティファちゃんだったっけ〜??」

「分かった!聞く!」

にっ、と笑うザックス。俺は酒の勢いでこいつに故郷の幼なじみの話しをした(させられた)ことを
心から後悔した。

「んで?!今度は誰だよ?」

「一目惚れ、しちゃったv」

「……一目惚れ??」

「可愛いんだ〜……花売りなんだけどさ」

「……花売り?何処の子だよ?」

「え?ミッドガル」

「ミッドガルに花咲くのか?」

「うーん……言われてみれば。今度訊いてみよーっと♪んで〜細くて〜髪がふわふわなんだ」

「俺はストレートのロングの方が好みだ」

「……お前の好みは訊いてねぇ〜!!」



.「……で??」

先の見えないザックスの話の先を俺は促した。

「何あげたら喜ぶかな〜?」

「知るか!!」

「うわぁつめてぇ!!俺たち親友なのに!!俺は顔も知らないティファちゃんがいかに素晴らしいか
延々と聞いてやったのに!!」

「また、造花かなんかでいーじゃん!」

「花売りに造花やるバカがいるか!!」

「それもそうか……。じゃあ、星でも二人で……」

「アホ!!ここはゴンガガでもニブルヘイムでもねーぞ!星が見えるかー!!」

「……ザックス」

「あぁっ!?」

元々落ち着きは全くないが。女のことでここまで、こいつが落ち着きをなくすのは初めてだ。

「……結構、本気?」

「………」

かぁ、と上気する‘親友’の顔。こんな珍しい顔させる女の子ってどんな子なんだろう?そんな好
奇心が少し湧かないでもなかったが。

「……うまくいくといいな…」

「おぅ。お前もな!」




end



2008.8.4up


img あんずいろ