<誰を見ているか知ってるよ>
恋したくなるお題 様より。
片恋のお題(1〜20)、11.
FF7 Cloud→Aerith
エアリスの目は、確かに俺を捉えて――微笑んだ。
エメラルドの瞳は優しく細められて、俺の心拍数は上がる。
「…………」
どうして――……?
そんな目を向ける?
そんな目を向けられたら、男は誰でも勘違いする。それともあんたは、誰にでもそんな目を向けるの
か……?
でもそれは違う。エアリスは誰に対してもフランクで男も女にも変わらない目を向ける。
俺にだけ―――。
いや。
違う。あんたが見てるのは――……。
「………」
目を逸らすと、小さな手で顔を捕えられ、強引に彼女の方を向かされた。
「なにするんだ」
「ん〜……クラウドの目、もっと見たい」
ストレートな台詞。
俺の顔はおそらく赤くなっている。
エアリスはそれには全く頓着せず、俺の目を覗く。
「……綺麗な目、だね」
「………」
ソルジャーの蒼い瞳――――気付かなければ良かった。気付かなければ、好かれてるのかも、なんて
勘違いもしなかったのに。
エアリスの言う、初恋の男。ソルジャーだったと言うその男――――ザックス。
その名前を思いだすと俺の胸はざわざわと乱れる。
―――あんたが見てるのはそいつなんだろ?
そう言ったらエアリスはどんな顔をするんだろう?
頭の回転のいいエアリスのことだ。
『違うよ?』
そう言って美しく笑うのかもしれない――それとも……。
俺は目を閉じた。
そして、目を開けエアリスの翠の目の奥を見つめた。
「あんたが誰を見てるか、知ってるよ―――」
continued.
2008.8.4.up
img NEO HIMEISM様
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