<for You>




海を眺めてる、キミの横顔を見ていた。



―――思い詰めたような、キミ。



不思議。あの時のことはすごくはっきりと覚えてるんだ。



―――キミが、思い詰めた顔、してたのに……わたし、キミに見とれてた。



お日様色の髪が夕日で朱く染まっていて―――すごく綺麗で、どうしようもなく泣きたくなった。



あと……どれくらいキミの傍にいられるんだろう………そんなことばかり考えてた。




――――もっと。もっと………キミを見ていれば良かった。




キミはわたしよりずっと……ずっと辛い筈なのに……ずっとわたしを支えてくれた。



―――なのに……わたし、気が付かなかった。

キミがあんなに哀しい決意を秘めていたこと――――気付かなくて……ごめんね。




だから……ね。


今度はわたしがキミを支えてあげたい。キミがわたしを守ってくれたみたいに、キミを守って支えられるように……なりたいの。

キミが帰って来てくれたからこそ――――。

「そんなのかっこ悪いッスよ」

そうキミは言うと思うから、言わないけど。

……それに、今も、わたし、キミに支えられてばかりだから。

頑張っていい女になるね。だから、春も、夏も、秋も、冬も………一緒にいようね?ティーダ………。




end


2006.9.25up